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シルクスクリーンプリント特集
プリント・加工に関するあれこれ -vol.02-

AUTUMN & WINTER 2020

今回はプリント方法の中でも、最もメジャーな方法のひとつ
「シルクスクリーンプリント」について、
基本的な方法やよくあるご質問などを解説します!

2020.10.30 公開

「シルクスクリーンプリント」とは?

最も一般的な加工方法のひとつであるシルクスクリーンプリント。
版画や印刷技法の一種で、「版」と呼ばれるものを使ってインクを刷り込み、プリント柄を再現します。

版に絹が使われていたことから「シルクスクリーン」と呼ばれます。
現在ではテトロンやナイロンなどが使われることが一般的。

インクの種類も豊富にあり、また、インクや版の種類を使い分けることで、さまざまな表現と技法が可能なプリント方法です。

インクの種類 
シルクスクリーンプリントで使用されるインクを一部ご紹介します。

染み込みプリント

「染み込み」または「顔料」と呼ばれています。
インクが薄いのが特徴で、生地に良くなじみ自然な仕上がりになります。 発色はボディの生地色に影響されやすいため、例えばブラックのボディ生地にホワイトでプリントした場合、グレーのような発色になります。

ラバープリント

最も一般的なインクの種類。
染み込みプリントが柔らかい風合いに対して、ラバープリントは生地の表面にインクが張り付いているような質感になります。 さまざまな素材(綿・ポリエステルなど)に使用され、ややなじんでいながらも、輪郭のはっきりした仕上がりになります。

発泡プリント

通常のフラットなインクと違い、熱処理をすることで発泡剤がふんわりと膨らむ特殊インクプリントです。約1~3mm程度膨らみます。
熱処理をするため、元色よりも白っぽくなります。摩擦に弱く、洗濯堅牢度はやや低くなり、小さく細かいデザインには不向きです。
※画像手前のみ熱処理済み

シルクスクリーンプリントの
作業工程

1. デザインをつくる

プリントデザインをおこします。
画像は手書きでイラストを作成していますが、イラストレータやフォトショップでデータを用意していただくとスムーズです。

※今回は3色プリントのデザインをご紹介します。

【データ作成時の注意点】
・イラストレータのデータはアウトライン化したものを原寸で用意する
・画像データ(jpg、png、フォトショップ)は解像度350dpi / inch 程度にする
・手書きの場合は、黒くてはっきりしたペンで線をしっかりと描く

※デザインデータの入稿については、請け負われている工場様やプリントショップ様によって異なります。詳細はご相談ください。

2. 製版する

1

3色で製作されたデータを3つの黒一色のデータに変換。それを透明フィルムに出力し、3つの版を作成。

2

アルミ枠に紗(しゃ)と呼ばれる網を機械でピンと張って接着。現在では紗はナイロンやテトロンを使用。

3

感光乳液で紗をコーティング。乳液は光によって固まるため、インクを通しません。

4

デザインが印刷されたフィルムを版に貼り、機械で密着させて強い光を当てます。

5

焼き付け完了したものを水で洗い流すと、デザイン部分の乳剤が溶けて透けて見えます。これで版は完成!

3. いよいよプリント!

1

カラーはデザインにあわせてインクを調合。濃い色のTシャツに印刷する際に下地として白色をプリントする場合もあります。

2

今回は3色印刷なので、3つの版がずれないようにアルミ枠についたねじでプリント位置を調整。

3

プリント台にTシャツを設置。版ズレを防ぐため、粘着性のあるプリント台によれないようしっかりセットします。

4

まずは薄い色の版から印刷。Tシャツに版をのせ、スキージ(固いゴムのへら)でインクを刷り込みます。

5

手際よく1枚ずつ手作業でプリントしていきます。1色印刷するごとに、スポットと呼ばれる仮乾燥をかけます。

6

すべての版が印刷できたらプリント台からはずし、乾燥機にかけます。高温乾燥をかけることで、着心地よく仕上げます。

4. 完成!

シルクスクリーンプリントの
よくあるご質問

Q 「版」って何?

A
細かい網目状のものを枠/フレームに張り、紫外線で固まる感光乳剤を使用して、デザイン部分だけインクが通り抜けるようにしたものです。 シルクスクリーンプリントには欠かせないもの!1色につき1版必要です。


Q 好きな色はプリントできる?

A
調合できる色であればOK!DICやパントーン、現物見本と比べて職人さんが調色します。

※特殊な色は工場様によって調合できるかどうかが異なるため、要相談


Q 一つの版をいろいろなボディで流用できる?

A
商品や加工工場様によってできる・できないがあるため、事前の相談がおすすめ。 例えば、Tシャツ+バッグでは同版NGの場合もあります(プリント台へのセットが反対になるため)。

シルクスクリーンプリントの
見積もりについて

1
ボディの種類・枚数
 

お見積もりには、ボディの種類・枚数は必須です。迷っている場合は
・綿Tシャツでアダルトもガールズもある商品であわせて約1000枚
・ポリエステル100%のポロシャツで約500枚を予算内に
などの条件を指定して相談するのもひとつ。

2
プリントカラー数・プリントサイズ

プリントカラーの数によってシルクスクリーンプリントのための版の数が変わります。
また、プリントサイズによって版の大きさが変わり、版代が変わる場合があります。

3
色変えの有無

<色変えとは>

同じ柄で複数枚プリントする場合、途中でプリントカラーを変更することです。
例)合計枚数:50枚
・30枚→イエローのプリント
・20枚→レッドのプリント
色変えの有無によって、見積り内容が大きく変わる場合があります。

4
仕上げの有無

<仕上げとは>

プリント済みの商品を個別にたたみ・袋入れすることです。
また、その他さまざまな仕上げ工程がありますので、加工工場様へお問い合わせください。

5
納期

見積もりそのものにはかかわらないことがほとんどですが、納期(いつまでにプリント済み商品が届いてほしいか、など)によってお受けできる・できないが決まります。
タイトスケジュールの場合、加工工場様によってはアップチャージがあることも。

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